調律の歴史④

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2026.02.15

調律の歴史④

こんにちは!名古屋のウクレレ、ボーカル、ギター教室「ポワンポワンスタジオ」です。

今回のテーマは「調律の歴史④」です。

前回は、転調の自由を手に入れるために「完璧な響きをあえて諦める」という発想から生まれた「平均律」が、いかにして西洋音楽のスタンダードになっていったかをお話ししました。

では、現代の楽器はすべて平均律なのでしょうか?また、西洋以外の音楽、例えばアジアや中東の音楽は、どうなっているのでしょうか?

楽器によって違う「調律」の現実

実は、楽器の種類によって、調律との付き合い方は異なります。

ピアノやギター(平均律が基本の楽器) ピアノは、専門の調律師さんが1オクターブを12個に均等分割する「平均律」で調律するのが基本です。私たち演奏家は、調律された音をそのまま弾くだけです。 ギターやウクレレも、指板に打たれている「フレット」という金属の仕切りが、平均律の計算に基づいて配置されています。

ヴァイオリンやチェロ、そして「声」(調整できる楽器) ヴァイオリンやチェロのような、フレットがない弦楽器は、演奏者が自分の指で押さえる位置を自由に決めることができます。 そのため、オーケストラなどで和音を弾くとき、周りの音を聴きながら指の位置を微妙にずらし、「純正律」に近い、より美しく溶け合う響きを作り出すことができます。 もちろん、人間の「声」も最も自由な楽器です。伴奏のない合唱団が、自然と純正律の美しいハーモニーに向かっていくのは、そのためです。

管楽器(息で調整する楽器) トランペットやフルートなどの管楽器も、基本は平均律で作られていますが、演奏者の息遣いや唇の形によって、音程を微調整することが可能です。オーケストラの中では、周りと響きを合わせるために、この微調整が常に行われています。

世界には「ドレミ」以外のルールがたくさん!

私たちはつい「音楽=ドレミファソラシド(平均律)」と考えがちですが、世界を見渡せば、まったく異なるルールの音楽がたくさんあります。

インドネシアの「ガムラン」 インドネシアの伝統音楽「ガムラン」は、鉄琴や銅鑼(どら)のような金属製の打楽器をたくさん使って合奏します。 ガムランには「スレンドロ」や「ペロッグ」と呼ばれる独自の音階があり、西洋の平均律とはまったく物差しが異なります。 特徴的なのは「オンバ(Ombak)」と呼ばれる「うねり」です。これは、わざと微妙に調律をズラした2つの楽器を同時に叩くことで生まれる、独特な響きです。平均律が「ズレ=濁り」と考えるのに対し、ガムランでは「ズレ=心地よい響き」と捉えているのが面白いですね。

インド音楽やアラブ音楽 インドの音楽では、1オクターブを12ではなく「22」の細かい単位(シュルティ)で考えると言われています。また、アラブ音楽では「24」(四分音=半音のさらに半分)に分ける考え方があり、平均律のピアノでは決して出せない、微妙な音程を使ったメロディーが特徴です。

まとめ

4回にわたって「調律の歴史」を見てきました。

古代ギリシャで「ピタゴラス音律」(メロディー重視)が生まれる。

ルネサンス期に「純正律」(和音重視)が求められるが、転調できない問題が発生。

バロック期以降、「平均律」(転調の自由重視)が主流となり、音楽の表現が爆発的に豊かになる。

現代でも楽器によって調律との付き合い方は異なり、世界には平均律とは全く違うルールの音楽(ガムランなど)も存在する。

「調律」とは、その文化が「何を美しいと感じるか」を反映した、音楽の「OS(基本ソフト)」のようなものです。 私たちが当たり前に使っている「ドレミ」も、長い歴史の中で多くの人々が悩み、工夫した末にたどり着いた「一つの答え」に過ぎないのですね。

普段何気なく弾いているギターやピアノの音が、まったく違って聴こえてくるかもしれません。

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